デニムの歴史 年表
1853年のリーバイス創業から現代まで、ワークウェアとして生まれたデニムがいかにして反抗の象徴となり、やがて日本のレプリカ職人によって再発見されたか——デニム史の節目を時系列でたどります。
37 件の出来事
創成期
〜1872- 1853 アメリカ
リーバイ・ストラウス、サンフランシスコで創業
ゴールドラッシュ最中のサンフランシスコで、リーバイ・ストラウスが卸売業を開業。鉱夫向けの丈夫な生地や日用品を扱い、後のジーンズ帝国の礎となる。
ジーンズの誕生
1873〜1900年代- 1873 アメリカ
リベット付きワークパンツの特許取得(#139,121)
仕立て屋ジェイコブ・デイビスとリーバイ・ストラウスが、ポケットの角を銅リベットで補強する「腰高オーバーオール」の特許を取得。これが現代のジーンズの直接の祖先となる。
詳しく読む - 1886 アメリカ
リーバイス「ツーホース」レザーパッチ採用
二頭の馬がジーンズを引き裂こうとしても破れない強度を示す革パッチを腰裏に採用。1955年に紙(ジャクロン)パッチへ移行するまで使われた。
詳しく読む - 1889 アメリカ
H.D. リー社 創業
ヘンリー・デイビッド・リーがカンザス州で創業。当初は食料品や雑貨の卸売だったが、後に自社製ワークウェアでリーバイスの強力なライバルへと成長する。
詳しく読む - 1890 アメリカ
ロットナンバー「501」誕生
リーバイスが製品管理番号として「501」を導入。XXデニムを使ったこのモデルが、後に世界で最も有名なジーンズとなる。
詳しく読む
ワークウェア黄金期
1900〜1940年代- 1905 アメリカ
コーンミルズ ホワイトオーク工場 稼働 / リーバイス Type I(506XX)登場
ノースカロライナ州にコーンミルズのホワイトオーク工場が稼働。同年、リーバイス初のデニムジャケット「Type I」(506XX、当初は『ブラウス』)が登場する。
詳しく読む - 1911 アメリカ
リー、自社製ワークウェアの製造を開始
卸売から製造へ転換。1913年には上下繋ぎの「ユニオンオール」を発売し、第一次大戦で米軍に採用される。
詳しく読む - 1915 アメリカ
コーンミルズが501専用セルビッジデニムの独占供給を開始
この頃からホワイトオークが501専用のセルビッジデニム(赤耳)を独占供給。3×1右綾のXXデニムがリーバイスの代名詞となる。
詳しく読む - 1924 アメリカ
リー「101 カウボーイパンツ」発売
西部の働き手に向けた「101 Cowboy Pants」を発売。左綾(LHT)デニムと独自のディテールでリーバイスとは異なる進化を遂げる。
詳しく読む - 1925 アメリカ
リー、バックポケットのリベットを廃止しX-tackへ
サドルや家具を傷つけるリベットを廃止し、バータック(X-tack)に置換。リーバイスの隠しリベット採用(1937年)より約12年早い。
詳しく読む - 1926 アメリカ
リー 101Z、ジッパーフライを先行導入
リーがジッパーフライの101Zを発売(資料により1926/1927)。リーバイス 501Z(1954年)に数十年先行する革新だった。
詳しく読む - 1928 アメリカ
サンフォライズ加工の確立
サンフォード・クルエットが防縮加工「サンフォライズ」を確立。洗濯による縮みを抑え、戦後ジーンズが既製品として量産される下地を作った。
詳しく読む - 1936 アメリカ
リーバイス「Big E」レッドタブ登場
バックポケットに大文字「LEVI'S」の赤いタブを縫い付け。1971年に小文字「e」へ変わるまで、この「Big E」がヴィンテージ判別の指標となる。
詳しく読む - 1937–1966 アメリカ
リーバイス、隠しリベットを採用
バックポケットのリベットを生地で覆う「隠しリベット」を採用し、家具やサドルへの傷を防止。1966年にX-tackへ移行するまで続いた。
詳しく読む - 1939 アメリカ
ハリウッド西部劇がジーンズを大衆化
ジョン・ウェインら西部劇スターを通じ、ジーンズは「カウボーイの装い」として全米に浸透。労働着からアメリカ的アイコンへの第一歩となる。
詳しく読む - 1944 アメリカ
第二次大戦の物資統制で簡素化(S506XX 等)
戦時の物資統制でアーキュエットステッチがペンキ描きになり、ドーナツボタンなど簡素化された大戦モデルが生まれた。「S」は『Simplified』の意。
詳しく読む
反抗とファッション化
1940年代後半〜1960年代- 1947 アメリカ
シンチバック廃止 / ラングラー 13MWZ 発売
リーバイスが501から背面のシンチバックを廃止。同年、ブルーベル社がロデオ・ベンの設計したラングラー「13MWZ カウボーイカット」を発売する。
詳しく読む - 1953 アメリカ
リーバイス Type II(507XX)/ ブランド『乱暴者』
シンチバックを廃しサイドアジャスターを備えた Type II(507XX)が登場。同年、マーロン・ブランドが『乱暴者』でデニムを反抗の象徴に変えた。
詳しく読む - 1954 アメリカ
リーバイス 501Z(ジッパーフライ)/ モンロー『帰らざる河』
リーバイスがジッパーフライの501Zを発売。同年、マリリン・モンローが『帰らざる河』でジーンズを着こなし、女性のデニム着用を後押しした。
詳しく読む - 1955 アメリカ
ジャクロン紙パッチへ移行 / ディーン『理由なき反抗』
リーバイスが革パッチから紙(ジャクロン)パッチへ移行。同年、ジェームス・ディーンが『理由なき反抗』でジーンズを若者の制服に押し上げた。
詳しく読む - 1961 アメリカ
ボブ・ディランとグリニッチ・ヴィレッジのフォーク文化
ニューヨークのフォーク・リバイバルの中心で、ボブ・ディランら若者がワークウェアとしてのデニムを反体制と素朴さの象徴として纏った。
詳しく読む - 1962 アメリカ
リーバイス Type III(557XX)登場
Vステッチと尖ったフラップポケット、細身のシルエットを備えた Type III(557XX)が登場。現代の「トラッカージャケット」の原型となる。
詳しく読む - 1964 アメリカ
ラングラー、ブロークンツイルを採用
着用時の脚のねじれ(レッグツイスト)を解消するため、ラングラーが独自のブロークンツイルを採用。発売当初(1947年)の通常ツイルからの転換だった。
詳しく読む - 1965 日本
日本初の国産ジーンズ生産(岡山・児島)
岡山県児島の丸尾被服(後のビッグジョン)が、輸入生地を用いた日本初の本格的な国産ジーンズを生産。日本デニムの聖地・児島の物語が始まる。
詳しく読む - 1967 アメリカ
Type III が70505へ改番、露出リベット廃止
557XXが70505へ改番される際、露出リベットが姿を消す。リーバイス曰く「最も大きな変化は、最も小さなもの——リベットの除去だった」。
詳しく読む - 1968 日本
「ビッグジョン」ブランド誕生 / マックイーン『ブリット』
丸尾被服が自社ブランド「ビッグジョン」を立ち上げ、日本のジーンズ産業を牽引。同年、スティーブ・マックイーンが『ブリット』でクールなデニム姿を見せた。
詳しく読む
量産と海外移行
1970〜1980年代日本のレプリカ革命
1970年代後半〜1990年代- 1979 日本
ステュディオ・ダ・ルチザン創業(大阪五品番の先駆け)
田垣繁晴が(当初は『Studio I.S.A.』として広島県尾道市で)ステュディオ・ダ・ルチザンを創業。旧式力織機による『ヴィンテージの再現』という思想を打ち立て、後の大阪五品番=レプリカ革命の口火を切った。
詳しく読む - 1984 アメリカ
スプリングスティーン『Born in the U.S.A.』
色落ちした501をはいたジャケット写真が象徴的なアルバムが世界的ヒット。労働者階級のアメリカとデニムの結びつきを改めて刻印した。
詳しく読む - 1988 日本
ドゥニーム創業
林芳亨がドゥニームを立ち上げ、リーバイス66モデルなどヴィンテージの空気感の再現を追求。大阪五品番の一角を担う。
詳しく読む - 1991 日本
エヴィス(旧 EVISU)創業
山根英彦がエヴィスを創業。バックポケットへの手描きカモメマークと拘り抜いた旧式織機デニムで、日本製レプリカを世界へ知らしめた。
詳しく読む - 1992 日本
フルカウント創業(ジンバブエコットンの先駆)
辻田幹晴がEVIS(後のEVISU)から独立してフルカウントを創業。柔らかな超長綿ジンバブエコットンをレプリカに採用した先駆けとなった。
詳しく読む - 1995 日本
ウエアハウス創業
塩谷兄弟によるウエアハウスが創業。ヴィンテージの『色落ち』そのものを科学的に研究・再現する徹底ぶりで、大阪五品番を締めくくった。
詳しく読む - 1997 日本
第二世代レプリカ・ブランドの台頭
サムライジーンズやピュアブルージャパンなど、大阪五品番に続く第二世代が登場。ヘビーオンスや個性的な色落ちで競い合い、市場を多様化させた。
詳しく読む